サイトカイン

サイトカインとは

細胞の増殖や分化を促進するタンパク質全般のことで、「増殖因子」と呼ばれることもあります。

細胞から分泌されるタンパク質の一種で、様々な機能を有した生理活性物質を指します。サイトカインの種類は何百種類もあり、細胞と細胞の間の情報伝達を行う重要な役割をもちますが、細胞の増殖や分化、様々な機能を発現する等多様な変化を起こすことで身体の健康を守ります。

サイトカインの重要性

パラクライン効果

細胞を培養する時、肝細胞は500種類以上のタンパク質を含む成分を分泌し、この中には体内の損傷を受けた組織や、細胞を回復させるのに有効な情報伝達物質が豊富に含まれています。

これを効果的に取り入れることで、エイジングケアや病気の予防・治療など、様々な効果が期待できます。老化により衰えたお肌や体内組織を生まれ変わらせることが期待できることから、「究極の全身エイジングケア」ともいわれています。

培養上清液には、幹細胞から放出される多数のサイトカインが含まれ、量だけでなく、複数のサイトカインが相互に連鎖しあうことで生まれる数々の相乗効果が、研究者の間で注目されています。

パラクライン効果

サイトカイン・オーケストラ

サイトカインが細胞間の情報を伝達して、周囲の細胞の増殖や分化、炎症の調節、線維化の改善などを促す様々な働きのこと。複数のサイトカインが相互に連鎖しあうことで相乗効果が生まれる。

期待できる効果

  1. 傷ついた組織の再生を促し回復力を高めるため、身体機能の強化や体力低下を予防するはたらきが期待できます。
  2. 細胞活性や細胞再生能力が高いことから、アンチエイジングをはじめとした幅広い美容効果が期待できます。
  3. パラクライン効果による細胞再生能力は、サイトカイン単体の効果発現よりも更に高い効果が期待できます。
  4. パラクライン効果を最大限に活かすためには、ヒト本来がもつサイトカインバランスが非常に重要な意味をもちます。

サイトカインバランス(黄金律)のこだわり

ヒト本来の”黄金比”をそのままに

培養上清液は、性質や濃度が゙異なる数百種類のサイトカインを含んでいますが、 個々のサイトカインによる相互作用と相乗効果が、細胞の最適な再生と活性化に 繋がっていると考えられています。

ヒト本来が持つサイトカインバランスは、相乗効果を最も発揮しやすいということが数々の研究でも証明さ れています。つまり、ヒト本来が持つ“サイトカインの黄金律“を維持することは、再生医療において最善の 効果を発揮するために非常に重要な意味をもつのです。

そのため、ご提供する培養上清液はサイトカインの黄金律を維持した「原液」のみをご提供し、 サイトカインの調整は一切行っておりません。

サイトカインの種類と効果

VEGF
(血管内皮増殖因子)

血管内皮細胞活性化作用により、血管新生をサポートをします。毛細血管の活性化・発達は、細胞に 酸素や栄養素供給を促します。肌のくすみ改善、色素沈着やくすみを予防するだけでなく、創傷治癒 促進、毛乳頭や毛母細胞が活発化による育毛環境を整えるなど、様々な効果が期待できます。

IGF-1
(インスリン様成長因子1)

細胞成長・DNA合成調節作用をもちあわせます。骨形成促進作用、角質細胞の細胞分裂活性により、骨格・皮膚再生を促し若々しい身体作りに働きます。また、コラーゲンやヒアルロン酸、エラスチン 生成を促進することでしわやたるみを改善させ肌のハリ回復にも効果を発揮します。

Angiopoietin
(血管新生因子)

毛細血管の働きを活発化し、必要な栄養分を皮膚毛細血管全体に与えます。

TIMP
(メタロプロテアーゼ阻害剤)

コラーゲンやエラスチンなどを分解してしまうMMP(マトリックスメタロプロテイナーゼ)を阻害する作用をもちます。

TIMP-1
(メタロプロテアーゼ1阻害剤)

紫外線を浴びた時に発生するマトリックスメタプロテアーゼ(MMP-1)による皮膚の損傷・老化を抑制することで、コラーゲン合成増加によるしわ抑制に効果を発揮するだけでなく、腫瘍壊死因子(TNF-α)による炎症反応を抑制する働きも兼ね備えています。

TIMP-2
(メタロプロテアーゼ2阻害剤)

細胞および血中に存在するゼラチナーゼA (MMP-2)を阻害する働きをもちます。細胞外マトリックスの構成成分であるゼラチン、IV、V、VII、X、XI 型コラーゲンやフィブロネクチン、エラスチンさらにはプロテオグリカン分解活性を阻害することで、癌浸潤・転移をブロックしたり組織破壊の 抑制に働きます。

Thrombospondin
(トロンボスポンジン)

コラーゲンと相互に作用し、コラーゲンの恒常性を維持するため、ハリと弾力のある健康な肌を守る だけでなく全身の骨や血管の健康的な維持につながります。

Decorin
(デコリン)

コラーゲンと相互に作用し、コラーケン゙産生を促進します。加齢による体内コラーゲンの減少は美容 の面だけでなく、骨粗しょう症のリスクを高めてしまいます。コラーゲン産生促進は、骨内部の柔軟 性維持や若々しい身体維持に効果を発揮することができます。

HGF
(肝細胞増殖因子)

血管新生や炎症抑制に効果を発揮し、若々しい臓器・組織を維持することに効果を発揮します。HGFは肝臓、腎臓、血管、心臓などの組織や臓器の保護再生作用を持ち、神経細胞に対しても強力な保護・再生作用があるため、全身臓器の若返りにも大きな力を発揮すると考えられています。

Endostatin
(エンドスタチン)

がん細胞の血管新生や腫瘍形成抑制(エンドスタチンタンパク質は、新生血管を抑止、壊死させる ことで、がん細胞を虚血状態・消滅させる)作用があります。

TGF-β
(トランスフォーミング増殖因子β)

過剰な免疫反応を抑え、皮膚の炎症を抑える働きをもちます。コラーゲンなどの結合組織の合成・増殖を促進し、細胞組織の再構築、創傷治癒、炎症抑制、免疫 反応の強化などに重要な役割を果たします。

IL-1RA
(インターロイキン1受容体アンタゴニスト)

身体の炎症時に増加し、炎症反応を抑える機能をもちます。また、表皮角化細胞の増殖を促進し、基底膜を構成するIV型コラーゲン、VII型コラーゲンのタンパク発現を増やすため肌の弾力維持につながります。

IL10
(インターロイキン10)

T細胞やマクロファージといった免疫細胞に働きかけ、直接的に細胞の活性化を抑制します。マクロファージの抗原提示能を弱めたりするため、免疫反応を沈静化させる作用をもつと考えられています。

PDGF-AA
(血小板由来増殖因子)

細胞内ミトコンドリアに作用し、ATP*産生を促進する。 *アデノシン三リン酸:肌を健康に保つために必要なエネルギー源。

培養上清に興味を持たれた医療機関様へ

細胞が含まれていない幹細胞培養上清液を用いた医療行為については、再生医療等安全性確保法では再生医療に該当しません。従って再生医療等技術の一種、二種、三種の申請や認可を得る必要もございません。新しい診療メニューの一つとして、すぐにご提供いただけます。

導入に関して担当者が丁寧にサポートいたします。お気軽にお問い合わせください。

培養上清ガイド